My Angel〜炎の心で〜


『俺のことが、好きか?』
『はい、大好きです!』



 金色のふわふわとした髪、若草色の透明感ある瞳、皆に愛される愛くるしい天使
 そして、無知な天使



 この天使は何も知らない。
 この心が何処へ向かっているかなんて。
 知らずに微笑み、知らずに懐く。
 無垢に、無邪気に、愛らしく。

 アンジェリーク。
 天使の名を持つ少女。
 どこまでも天使のような少女。



 君は知らないだろう。
 俺がどれだけ君のことを想っているかなんて。
 子供だと、お嬢ちゃんだと思っていた心が、君だけに染められてしまっただなんて。



 君が誰かに微笑む。
 その度に、俺の心は暗い嫉妬という炎に支配される。

 君が俺を見て微笑む。
 それだけで、俺の心は君への愛しさという炎で燃え上がる。



『お嬢ちゃんは綺麗になった』

 本気でそう言うのに、君は本気にしない。

『また、オスカー様ったら口がうまいんですから』



 どれだけ囁けば、君は本気にしてくれる?
 どれだけ言えば、君は俺だけを見てくれる?

 もう、これ以上は・・・



 俺は君を愛する。
 君だけを愛する。
 この燃え上がる、炎の心で。

 ・・・君だけを、愛している・・・





END