「さあ神子、参りましょう」(ニッコリ)
「おや、永泉殿。どちらに行かれるのですか?」
わけわかめ〜な、あかねちゃんを強引に連れて行こうとしていた永泉の後ろから声を掛けたのは、仕事こそ我人生の天の白虎・藤原鷹道である。
〈あっ!なんか眼鏡の奥がキラーンて光った・・・よう・・な・・・見間違いか?〉
「鷹道さん!」
「おはようございます、神子殿」
「これは鷹道殿。私は今から神子と共に出かける所なのです」
「ああ、それはいいですねえ。どうですか神子殿、 私と御一緒に桂の方へでも参りませんか?」(ニッコリ)
(神子殿は私が連れていきますよ・・・ふふ・・・・愛に身分は関係ないのですよ)
〈ああっ!やっぱり光ったって!!ほんとだって!!〉
「鷹道殿、ですから神子は私と出かけるのですよ」(ニッコリ)
「「ふふふふふふふふふふふふふふ」」(ニッコリ)
〈・・・・・・・・・こ、こわい・・・・・・・・・汗〉
「あ、あの・・・・・・・・・」
本人全然無視で進んでいる話に、あかねちゃんまたまたわけわかめ〜
笑ってるだけに2人共恐ろしい程怖い。やっぱり普段笑顔のヤツが一番恐いよ。だって何考えてるかわかんないもんね。うん。
そんなつめたーい空気が漂うトコにやって来たのはいつでもどこでもフェロモン全開男、地の白虎・橘友雅である。
「おやおや、朝から騒がしいねえ」
「友雅さん。おはようございます!」
「ふふ、おはよう。朝から元気だね、神子殿」
「そうですか?私はいつも元気ですよっ」
(ふっ・・・・・ほんとに神子殿はかわいいね。食べてしまいたいよ・・・・)
満面の笑みで答えるあかねに、この少将、大変危険な思想でございます。
そんな危険人物はこの2人が見逃しません。
「これはこれは、友雅殿。今日はどうしたのですか?」
「鷹道、無粋なことを聞くものではないよ」
「と、いいますと?」
「ふふ、今日は神子殿の様に綺麗な青空だからね。 その神子殿と一緒に散歩でもどうかと思ってね」
〈でた!これがフェロモンをさらに倍増させる、くっさーーいセリフでございます。〉
「それは残念ですね。今日は神子は私とでかけることになっております」
「私とですよ、永泉様」(ニッコリ)
〈ほーら、やっぱり光ってるじゃん!〉←勝誇り
「いいえ、わたくしとですよ」(ニッコリ)
「「ふふふふふふふふふふふふふ」」
〈ま、また・・・・・・え、笑顔がこわいって、い、いってるのに・・・〉
アメリカとロシアの様に冷戦を繰り広げる2人に友雅は、
「そうかい、それは残念だねえ」
「「ですから友雅殿、お引取りください」」(ニッコリ)
そして素早く冷たく言い返す偽笑顔上手、鷹道&永泉
「そうだね、今日は神子殿とでかけるのは無理のようだねえ・・・」
((だから早く帰ってくださいっっっ!!))
けっこう似たもの同士のふたりである。そして友雅は、
「じゃあ失礼しようとするかな・・・・・・・・おやっ?」
「どうしたんですか、友雅さん?」
「神子殿、あれはなんだい?」
とあかねの背後を指差す。あかねはというと何の疑いもなしに友雅が指した方を振り返る。
「えっ?」
〈だめだよ、簡単にこの人信じちゃ。人騙すの大好きなんだから、何かあるよ〉
・・・・・・・・・・・・・・・ボソッ
ドッカーーーーーン!!!
「「ああっ!!」」
「えっ!?何っ!?」
再び振り返ったあかねが見たのは、何にやられたのか変わり果てた永泉&鷹道の姿である。
「え?な、なに?な、なんなの・・・・・?」
「おやおや、どうしたのかな?」(微笑)
またまた状況が飲み込めないあかねちゃんと、何やら扇で奇妙な笑みを隠している友雅。
〈怪しか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ、あんた!!〉
え?何があったかわかんない?じゃあ説明しましょう。
あかねちゃんが振り返った後、あのフェロモン男は
「白虎召喚」
なんつって事も在ろうに虎さんなんか呼び出しちゃったワケ
〈ほーらヤッパリ裏があったでしょう〉←勝ち誇り
そして見事にやられちゃった二人
・・・・・とまあ、こんな感じだったんですねえ。
〈しかしやり方が段々エスカレートしてきてるぞ・・・汗〉
「しかし困ったね。二人がこんな様子じゃ神子殿がでかけられないねえ」
〈この男ぬけぬけと・・・・・・・・・自分でこんなんしちゃったくせに!〉
何やら考えるフリ〈あくまでもフリ〉を決め込んでしまった花大好き男・友雅くん。
と、わけわかめ〜な状態相変わらずのあかねちゃん。
「そうだ神子殿、2人の代わりに私がお供するとしようかな」
〈白々しい・・・初めからそのつもりだったくせに・・・・〉
「えっ!?で、でもっ、・・・」
「どこに行きたいのかな、神子殿?」
「で、でも永泉さんと鷹道さ・・・・・・」
「おやおや、私が相手では不満かな神子殿」
「えっ、いえそんな事は・・・・・」
〈あっ、巻き込まれつつあるぞ、オイ・・・・・〉
「うれしいね、では行くとしようか神子殿」
「えっ、あ、はい」
〈あ〜あ上手い具合に巻き込まれちゃったよ。あ〜あ〉
人を丸め込んだりするの大好きのこの人には敵わないよね、フツー。
そしてこの男の思惑にまんまとはまっちゃたあかねちゃん。
「さあ行くよ神子殿」
とか言ってあかねちゃんの腰をしっかりと触っているあたりさすがフェロモン男!!
〈まあ世間じゃセクハラオヤジとも言うけどねっ〉
さあ!あかねちゃんはこのままこのフェロモン男に連れて行かれるのかっ!!
いろんな意味でこの男が一番危険だぞ!!いいのかーーー出て来てないヤツ!!!
さあどーなるどーなるあかねちゃん!
〈また続くのかーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!〉
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